薪ストーブとペレットストーブの違い
薪ストーブとペレットストーブは、どちらもカーボンニュートラルな暖房器具ですが、燃料の入手や投入、煙突の有無など大きな違いがあります。
一般的には、薪ストーブの方が趣味性が高く、手間暇をかけて楽しむ方に向いており、一般ペレットストーブは灯油ストーブの代わりに環境負荷の少ない暖房器具を使いたいというライトユーズや、都市生活者に向いているようです。それぞれのライフスタイルや志向性に合わせて、じっくりとチョイスしてみてください。
バイオマス燃料 | 薪(水分含有率20%) |
熱量 | 3,800kcal/kg |
特徴 | ・対流熱・幅射熱の両方で温めるため、空気だけでなくモノも温まり空間全体が質のいい暖かさで包まれる ・カーボンニュートラルな燃料 ・暖房として、またクッキングとして利用可能 ・針葉樹、広葉樹ともに燃料として利用できるが乾燥(水分含有率20%程度)していることが大切 ・煙突の取り付けが必要であり、断熱二重煙突といった高性能の煙突設置により安全管理が強固になる。 ・電源はいらない ・趣味性が高い |
バイオマス燃料 | ペレット |
熱量 |
4,300kcal/kg |
特徴 |
・対流熱・幅射熱の両方で温めるため、空気だけでなくモノも温まり空間全体が質のいい暖かさで包まれる ・カーボンニュートラルな燃料 ・一般の薪ストーブと比べると、比較的簡単に低コストで取り付けができます。 ・燃料となるペレットが入手困難だったり、価格の問題などでペレットストーブの普及が遅れていますが、薪ストーブ同様炎を楽しめるストーブとして注目されている ・排気は必要だが、煙突の取り付けがいらないタイプのペレットストーブもある ・薪ストーブと違い電源が必要! |
薪ストーブの魅力
この上質の暖かさと、炎の美しさが、暮らしを豊かに彩ります。
木を調達して、薪割りをして…。料理をして、ゆらめく炎を見ながら珈琲を飲んで…。薪ストーブの魅力は十人十色、いろいろな楽しみ方があります。あなたならではの楽しみ方を発見してください。
薪と灯油のコスト比較
国際政治や経済の影響を受けやすい国際商品、原油。2000年代に入り、原油価格は中国などの需要拡大と投機資金の流入によって値上がりを続け、2008年夏にニューヨーク市場で1バレル=147ドルの史上最高値を付けた後、反動とリーマン・ショックで急落しています。その後、新興国のエネルギー需要の旺盛さと、将来の供給不足も見込み上昇。2011年に入り、中東産油国の政情緊迫により原油価格は急騰しています。
家庭用の灯油等はガソリン税や軽油取引税が課されていないため、小売価格に占める原油価格の割合がガソリンや軽油よりも高く、原油高騰による灯油の価格上昇率はガソリン以上に大きくなることがあります。2003年から2008年にかけての価格上昇はガソリンは約1.5倍に対し、灯油は約2倍でした。
近年の原油価格、灯油価格の高騰や、環境に配慮するライフスタイルが好まれていることから薪ストーブへの関心はますます高まっています。下記の薪と灯油のコスト比較では、灯油1L=約129円(2011年2月現在では約85円)と設定していますが、灯油の価格が高騰するほど、薪ストーブのランニングコストは安く感じられます。
また、日本のエネルギー自給率は先進国の中でも非常に低く、4%です(原子力を含めると20%)。現在、新興国の台頭で世界のエネルギー需要が爆発的に伸びている中、日本は石油が使えるうちにどの国よりも大規模なエネルギーシフトを実現させなければならない立場にあります。灯油から薪へ。家庭でできるエネルギーシフトが家庭と日本と地球の未来を考えたアクションにもなるのです。
一般的な薪(広葉樹) | 特価薪(針葉樹) | 灯油 |
---|---|---|
1束=450円(9kg) 2kg→8200kcal/h 約100円 |
1束=200円(7kg) 2kg→8200kcal/h 約57円 |
1L=約90円 1L=8200kcal/h 約90円 |
※灯油1Lで得られる熱量と比較した概算。
※薪で8200kcal/hの熱を出すには2kg必要。
※薪1束が7~9kgで300円~500円。
しかも灯油の価格が高騰中なので、よりランニングコストが安く感じられます。
付随する諸々の手間を換算しなければ、薪ストーブを使用した方がかなりお得と言えます。