内山さん (八代市中片町)

八代市の静かな住宅地にある内山さんのお宅は落ち着いた和モダンな家。手入れをされた庭には春を待ちわびた色とりどりの花のつぼみがほころび始めています。玄関先で愛犬メグちゃんの賑やかな歓迎を受けながら通されたお部屋は南に面した広いリビングキッチンで、お部屋の一角にすっきりと薪ストーブが置かれていました。こちらでご夫妻に薪ストーブについてのお話を伺いました。

新築を機に薪ストーブを置かれた のですか?

いいえ、家を建てて1年ほどしてからです。最初の冬はエアコンで過ごしました。薪ストーブに興味があって、グランメッセで開かれた展示会などに足を運んだりして、色々な方から話をきいて、最終的には近所にある薪ストーブの取扱店に行ってみました。そこで部屋の広さや置く場所、私たちの生活スタイルなどからカナダのレージェンシーというメーカーの薪ストーブに決め、床や周りの壁の耐火工事、煙突の取り付けなどもお願いしました。工事の前には家を建ててもらった住宅メーカーにも壁の構造などをチェックしてもらいまいた。

薪ストーブを置きたいと思われた理由は何ですか?

何よりも“炎”への愛着でしょうか。ぜひ我が家に薪ストーブを置きたかった。やはり炎がゆらめく様をずっと眺めていられるのは、心が落ち着いて本当に良いです。私の仕事柄、薪にできる木材が身近に豊富にあるので薪の調達に心配がなかったのも大きな理由です。

手間はいかがですか?

日々の手間は朝の2~3分かな?灰を掃除してガラス面に付着したヤニを拭くくらいですよ。火をつけるのも楽しいです。でも使っている薪の種類のせいか、まだストーブの扱いに慣れていないせいか、煙突などにタールが付着するようで、設置してくれた取扱店の方が度々訪ねてきてくれて適切なアドバイスをしてくれます。心強いです。このタールの始末をうまく出来るようになれば良いですね。

薪の調達はどうされていますか?

チップなどを生産する会社なので、 そこに集まる端材の中から樫や楠、ラジアータパイン、杉などをシーズンの初めに分けてもらいました。よく乾いていると薪割りも楽になるので、日当たりの良い場所を選んで家の周りに積んでいます。薪割りは私の休日の楽しみになってしまい、今では趣味と言ってもいいくらいです。ゴルフよりも今は楽しいかもしれません、スパッと割れると快感ですよ(笑)。

奥様の薪ストーブについての感想をお聞かせ下さい。

普段は私のほうが家にいるので、扱う機会は多いです。朝の6 時に火を点けるのも私です。ガラス面についたヤニは中の灰を使って落とすといいと教わって実践しています。炎がより綺麗に見えるように念入りに磨いています(笑)。私がリビングでいつも座る場所はストーブに背を向ける場所なので、私も炎を楽しみたくて正面の壁に大きな鏡を取り付けてもらいました。テレビも観るけど、炎も楽しめる、いいアイデアでしょう(笑)。

この部屋は日当たりもいいから、お昼前には一度火を落として、夕方、陽が落ちる頃にもう一度火を入れて10時くらいまで焚いています。一日中焚いた日が20日もあったかしら。薪ストーブにしてから、壁も床も暖まるのか、家全体が暖かくなったと思います。この冬はあまり着込まなくても過ごせましたし、二人とも夜中にトイレに起きた時にわざわざ上着を羽織ることもなくなりました。私は以前病気をして体に少し傷跡があって、冬になると寒さで疼いて辛かったけど、この冬はそれが無かったのが何より嬉しかったです。息子夫婦が小さな孫たちを連れて里帰りをしたときは、寝室に使った二階の部屋の暖かさに驚いていました。それから、愛犬のメグはストーブの前に特等席 をもらったので、そこでぐっすり寝るようになりました(笑)。

ストーブでお料理はされますか?

まだサツマイモを焼くくらいしか使ってないんですけどね、ダッチオーブンのお鍋を持っているのでこれからどんな料理を作ろうかとワクワクしています。パンやピザも焼いてみたいし・・・本当に楽しみにしています。

熊本県内でも温暖な地域である八代での薪ストーブユーザーと伺い、意外な感じがしたのですが、冬の暖房機器はやはり必要な土地。暖房としての薪ストーブが、使う人の心身まで癒し、ライフスタイルも変えてしまうくらい素敵なものだと、お二人が嬉しそうに話してくださるのを聞きながら改めて実感しました。