南阿蘇ビジターセンター

高森町の休暇村南阿蘇内にある環境省の施設「南阿蘇ビジターセンター」にお邪魔しました。ここでは、阿蘇の自然や人々の暮らし、火山のなりたちなどを写真やパネル、ジオラマなどで楽しく学ぶことが できます。また、広大な野草園もあり、四季折々の花が楽しめるだけでなく、野鳥、昆虫類、両生類など様々ないきものも観察できます。この施設の標高はおよそ640m。夏の涼しさは格別ですが、その分冬の寒さも厳しいところです。 ここでパークガイドを務める国村さんにお話を伺いました。

展示施設側の多目的コーナーに1 台、更に奥の事務室に1 台、計2 台 のペレットストーブがありますね。 導入されたきっかけは何ですか?

こちらの施設改修を機に、平成19 年3月に設置されました。環境省がCO2排出削減の一助にと関係施設に 積極的にペレットストーブを導入され たそうです。それまではこの施設の暖 房施設は事務所だけで、灯油ストーブ を使っていました。2台のペレットス トーブは、多目的コーナーのものが金 子農機、事務室においてあるのはサン ポットのものです。今年の冬は真冬日 が続き、マイナス10℃を越える日も あってとても寒さが厳しかったのです が、この建物の窓はペアガラスで、さ らに断熱フィルムも貼ってあるので、 どうにかこのストーブ1 台で過ごせ ました。

主に女性二人で日々の施設管理をされているそうですが、ペレットストーブを使うのに手間はかかりますか?

着火も消火もボタンひとつですし、温度設定もできるので便利に使っています。灯油ストーブのように消火時の臭いもありませんから良いですね。ストーブの掃除は1 週間に一度行います。燃焼室内部と全面のガラスを拭き、下に貯まった灰を捨てるだけで、手間だとは思っていません。灰の量も灰受けに半分位で、少ないんですよ。

施設には小さなお子さんの来場も多いと思いますが、安全面で心配なことはありませんか?

導入するときに、ストーブの周りに柵を作ることを検討しましたが、ストーブ自体はそんなに熱くならないので柵は必要ありませんでした。上に置いたやかんはお湯を沸かすというより、ここにストーブがありますよ!という注意を呼びかける目印のようなものです(笑)。

燃料のペレットの使用量はどれくらいですか?

ペレットはシーズンの初めにまとめて80 袋を取り、倉庫で保管します。今年から熊本県産のペレットに変わりました。ストーブの使用期間は11月から春先までの約半年。このあたりはどうしてもゴールデンウィークくらいまではストーブが必要な時がありますね。2 台分合わせてのペレットの消費量は朝9 時から午後5 時までの使用で、3日で2袋くらいでしょうか。週に1日は休館日がありますから、80袋を余すくらいです。

最後に、ペレットストーブの魅力を教えてください。

事務室を閉めきっている時でも空気の乾燥は気になりませんし、臭いもないのがいいです。サンポットは上段にオーブンが付いていますから、昼食にお餅やお芋、ピザを焼いて食べることもあります。すごく手軽に使えるのでついつい食べ過ぎてしまうのが恐いくらいです(笑)。

ストーブの灰は、今は野草園の苗床の土にかえしています。ゆくゆくはこの灰を育苗の時の肥料にしてもらえればなと思っています。

それから、薪ストーブほどではありませんが、炎を眺められるのは気分も落ち着いていいですね。

こちらでは、バードウォッチングや昆虫観察、植物観察、トレッキング、クラフト体験などの自然豊かな阿蘇を感じる様々な体験プログラムが開催されています。国村さんも毎日忙しく施設内を駆けまわっていらっしゃるようです。四季それぞれに魅力のある南阿蘇へ是非一度お訪ね下さい。

※ 2011年3月末に、薪ストーブも導入される予定です。薪は休暇村や野草園の整備で枝打ちされる樹木も活用するとのこと。薪ストーブの炎のゆらぎも楽しめて、滞在時間がさらに延びそうですね。

住所 869-1602 阿蘇郡高森町高森3219
電話 FAX 0967-62-0911
開館時間 9:00 〜17:00
休み 水曜日
入館料 無料
URL http://www.minamiaso-vc.go.jp/